2005年1月9日日曜日

「SHIROH」のCDが届いた♪

劇場で予約してきた「SHIROH」のCDが届きました。観た後すぐにでも感想を書きたかったのですが、年末年始はバタバタしていてすっかり忘れていました。なのでCDを聴きながら物語を思い返しています。

私は島原の乱について中学校の教科書程度にしか知らなかったので、この物語は民衆の盲信に崩れていく指導者の話なのかと勝手に想像して胃が痛くなっていましたが(アホですね)、全く違いました。

ああ、でもやっぱり四郎の父・甚兵衛が四郎に言うセリフ「人は信じられるもの求めてる。お前はただそれを受け止めればいい」は、痛かったです。だって何万という人間の盲信の的になるなんて恐怖でしょ。

きっとシローは四郎が失ったと思い込んで置き忘れてきてしまったものを心に掲げて生きていて、それを四郎にそして民衆に自らの内に未だあると気付かせるための存在であったのではないかと思うのです。だって、シローと民衆が振り上げた拳には確かに神が宿っていたろうと思うから。

唯一の生き残りが語って聞かせているという設定なので何かダイジェストっぽくて、登場人物の心の動きの描写が薄くなってしまっているように感じたのが少し不満でした。もっと深い葛藤や苦悩や想いがすべての登場人物にあるはずで、そこに興味を惹かれるので。

できることなら、ぜひとも「髑髏城の七人」のように小説化を希望。やっぱ、そういう細かい心理描写は舞台表現より小説に分がありそうだから。


月が欠けるは エゴの影
この世を生きる者ならば
満月もあれば新月もある
それでいい
満ちたままでは居続けられず
陰ったままで居る必要もない