2009年8月9日日曜日

忘れられない夢

たまに変な夢を見ることがある。
そんな夢はどうしても記憶に残ってしまうのだけれど。


5年ほど前に見た、忘れられない夢がある。


そこは窓のない洋風の小部屋で、どうも色んな時代の人が集まっているサロンのような感じ。
部屋には5・6人の人が居て、私は部屋に入ってドアの前に立っていた。正面奥の上座に当たる場所にはアンティークの肘掛け椅子に座る年嵩の偉い人らしい男の人がいて、どうもこのサロンのオーナーらしい。
椅子の横には若い男の子が立っていて、ヨーロッパ系の金の髪・緑の瞳、それは綺麗な顔立ちで、私は「美少年とはこういう子のことをいうのだろう」と感心していた。サロンのオーナーからその子を紹介されて、名前を聞いたけれどそれは忘れてしまった。
そこで、いったん私はその部屋を出るのだけれど。


再びその部屋に入ったとき、部屋の真ん中に人が横たえられていて、他の人がその周りを囲んでいた。
横たわっている人は誰かも判らないほど全身真っ黒に焼けただれていて、それでも微かに息があるらしかった。どうしたのかと尋ねると、周りを囲む人がそれは先に会った少年で被爆したのだと教えてくれた。
サロンのオーナーは相変わらず椅子に座ったまま、私にその子を送ってほしいと頼んだ。私は引き受けて、その子を背に担ぎ上げてドアの外に出た。


外はいきなり水の中で、ようやく首が水面に出て足は爪先が何とか水底に掠る位の深さ。
右の方では黒い岸辺に赤い空の景色の中、幾人もの黒い影がゆらゆらしながら手招きしている。私は何とか左の方へ左の方へと泳ぐように進んでいって、辿り着いた緑の芝草の岸辺に上がって少年を草の上に降ろす。
けれど少年の息はもう無くて、とても悲しくて涙がこぼれる。


という夢を見た、その朝が8月9日だった。


あまりのタイミングの良さ?に、忘れられない夢の一つになった。


この時期、どうしても思い出してしまう夢だ。